【五輪エンブレム問題】デザイナー視点から見た本音と佐野研二郎氏の本当の問題点
デザイナーの立場からみて何がパクリだとか違うとかをよりわかりやすくはっきり解説してみようと思います。
中身を明確にしてきちんと整理するためにも。
まず、第1の問題。
【1】エンブレムのデザインは他からパクったのか?
ベルギーの劇場ロゴと似過ぎ
Tokyo 2020 (2015) vs Théâtre de Liège (2011)
https://t.co/dJ3MA2iHJb pic.twitter.com/wJvzrofD2v
— Olivier Debie (@OliDebie) 2015, 7月 27
原案がヤン・チヒョルトのポスターともろかぶり
東京五輪エンブレムデザイン盗用疑惑の弁明に、組織委員会が汚名返上に注力したが、佐野原案が盗用では火消しにならない。
原案は、ヤン・チヒョルト(J.T)のデザインから盗用があからさま。
もう、疑惑を晴らす手がないぞ、組織委員会。 pic.twitter.com/TbN12AC9dU
— アベトシ (@abetoshi33) 2015, 8月 30
デザイナーの視点から見ると
パクってる率:10%
本人じゃないので真実はわからないので10%は可能性として残しましたが
まぁ、パクってないでしょう。
なぜそう言えるのか?以下の理由からです。
そもそも
「動機が見当たらない」
応募資格は、東京ADC賞、TDC賞、JAGDA新人賞、亀倉雄策賞、ニューヨークADC賞、D&AD賞、ONE SHOW DESIGNのうち、過去に2種以上受賞(佳作対象外)しているデザイナー・グラフィックデザイナー・アートディレクター。
当選作品に対する賞金・エンブレム制作及び著作権譲渡対価は100万円。副賞として開会式への招待。
・つまり自主応募性。
だから締め切りまでに提出する強制性がない。制作が間に合わなければ提出しなければいい。
仕事と違って応募資格がある以上必ずエンブレム案を納品しなければならないということはなくあくまでも自主制。
だから締め切りまでどうしても間に合わなくてよそのデザインから思わずパクってきたという可能性は低い。
・賞金が100万円と安い
これコンペです。選ばれなければエンブレム制作にかかった手間も時間も費用も全部ムダになります。
そして選ばれるのは1案。狭き門ですね。
さらに選ばれても賞金が100万円と安い。
だから応募目的としては「名誉」とか「ネームバリュー(デザインの依頼が増える)」。
金額は最低でも200万円は無いと割に合わないです。自分なら2,000万円くらいは欲しい。100万円じゃ割に合いません。賞金金額は魅力無しです。
オリンピックエンブレムということは、手間はCI(コーポレート・アイデンティティー)制作と同じ。
要するに大企業のロゴを制作するのと同じ手間がかかります。オリンピックなのでそれよりももう少し大変な作業かもしれません。
・パクるほうが面倒くさい
東京オリンピックのエンブレムということは「東京オリンピックのアイデンティティーを表した記号・マーク」として納得のいくデザインとなぜそのデザインになったのか説明をする必要があります。
よそからオリンピックとは関係のないデザインをパクってきても内包する意味やメッセージ性があいまいになり、きっちり説明できなくなるので選考委員を納得させるのが困難になり選考で不利になります。
そんな面倒くさい思いするなら、自分で一から作ったほうがマシなんです。